あの時殴ればよかった

誰とでも仲良いって、誰とでも仲良くないってことだと思う。私だけ、仲良くして欲しい、私だけ仲良くしないで欲しい。多くを与えられてきた人は狡いな。当たり前に貰えてきたから、その贅沢さに気づかないのだ。気づかないでずっといられる幸福、私も味わっ…

会社をサボってディズニーに行こう

暑い。もう9月も終わりそうというのに、本当に暑い。 今日は電車でクーラーの当たらない席に座ってしまったので、電車の中でも少し汗をかいた。 目の前に立つ男性がサンデーを抱えて持っていた。日曜日まではあと5日あった。 今からディズニーランドに行きた…

いつも夢に出てくるリサイクルショップ

明晰夢が見れる。 だから私は、夢の中でみんなより勉強したり色んな考え事、体験ができる。でも多分脳は休まっていないため、朝起きてもすっきりしていないのだった。昨日は昔好きだった人の夢を見た。今も好きなのかもしれない。私は横たわっていた。目の前…

朝の光の中、見えた

美しいものが好き。 光の中で手を伸ばして、掴み取った最後の1個があなただったらよかったのに。美しいのか、美しくないのかはっきりしてよと思う日もある。しかし、光に包まれてより白く発光するのを見て、溜息をつく。貴方が美しくないなら、何なのだろう…

二度と私を産むな

新しく買ったアナスイの香水が、私の体温で煩いくらいに薫っていた。汗が太ももを伝い、足首の方まで降りて行った。辛い夏の日が、わたしを殺した。自分が凡人と悟ったのは何歳の時か。凡人であることに対して諦めが着いたのは何歳だったか。自分の顔も、性…

窓際に置いた手

端正な顔立ちが、靴の踵をすり減らす。私たちがどうにでもなれる時間が、間もなく迫っていた。一緒に死ねたらいいのに。一緒に生きられないから。深夜2時、貴方の運転する車のハンドルを、助手席から握って思い切り回した。手に薔薇の花の棘が刺さった時、駅…

振り向いたら撃たれていた

人に言えないようなことが山ほどあった。可愛くて、完璧だったのに。わたしが撒いてしまった悪い種が発芽しないようにいつも震えている。 最近は外に出るだけで熱くて、それで余計無力になる。無気力なまま一歩踏み出したら、空き缶を踏んでこけてしまった。…

追いかけて

どこにも行かないで、と抱きしめられた真夏日を思い出していた。 私だって本当は、どこにも行かないでと抱きしめて離したくない人がいたけど、そんなことを言ったら可哀想だと思っちゃったから、言わなかった。それを平気で口にしてしまえたあの人は、去って…

書けないままでいて

タバコを外で吸ったときの携帯灰皿。冷凍フルーツを食べるときに最後にかける練乳。天然過ぎて何を言っているのか一発じゃわからせてくれない先輩。鶴屋でまとめて買ったVivienne Westwoodのハンカチ。生活を良くしてくれるものはいつだって上等と決まってい…

生命のはじまり

つくづく服を着ない人生だったと思う。そしていつも心ここに在らずといったかんじだった。私が私の人生をしっかり歩き始めたのはいつからだっただろう。 学生の頃、私はいつもすごく軽い風船みたいで、地上から離れて遠くを見たくて仕方がなかった。道端の花…

こわす

人を憎めないのは、嫌えないのは、優しさではなく多くの場合は弱さだ。今週も私は強く生きた。一人で立つにはまだまだ足が未熟だったが。美少女みたいな配色の男だ、と私は人を揶揄していたが、実際この歳になってまだ少年のような瑞々しい美しさを保てる人…

この世で1番好きだよ

靴紐を結びながら、また今日が来たことに対して絶望した。蝶々結びを完成させた頃にはいつも、私の望みが一切叶うことは無いのだと思い知らされる。何かができないなら、できるようになればいいと人々にアドバイスをして回ってるのは私なのに。どさくさに紛…

本当に熱いか

熱い夜だった。 携帯が鳴って、しばらくして通知を見た。 私は、世の中を直視することが出来なかった。何故人はそんなにも無防備なのだろう。 何故そんなに多くに傷ついて、まともに食らって、涙を流したりするのだろうか。 自分にとってどうでもいい人に酷…

神が考えた最高のプラン

塞翁が馬、この言葉をくれた友人はとても頭がいいと思う。私は、彼に絶対なりたくないけど。最近自分の頭の中で何度もこれを反芻する。 くちをこの単語の形にする。 もう6月も半ばだってのに、私の技術は一向に進化しないのであった。最近は特に無計画で、自…

アップテンポな祭り

自分で考えたことに対して、自分で考えたのにも関わらず怖くなることがある。 そして、人間誰しもこういう加虐性を内包してるのだろうなという恐怖と、もし本当になってしまったらどうしよう、本当に出来てしまったらどうしようと思ってそれにも怖くなる。私…

洗濯物が乾かない

帰り道、近くの小さな神社に手を合わせた。 今日は明るい時間に帰ってきて、朝は5時、スポーツウェアを身にまとって運動靴で歩く人か、犬の散歩をするパジャマのシニアとすれ違う、そんな帰り道だった。全てが思い通りにいかない。毎日私の心は少しずつキュ…

帰るには早いけど、待つには遅いの

見苦しく泣いてご覧。泣いてなにか上手くいったことなんて無いはずだから、私以外の人類は。概念を変えて生きていけば、何にも囚われないで私なりの幸せが見つけられると思っていた。叶えたかった夢に思いを馳せた。飛行機でスペインに行く、好きな人を連れ…

許してください

私たちきっと一緒にいられないね、と思って切なくなった午後があった。気持ちが芽生えた途端に想像した別れは、思ったより早めに来た。あとちょっと、こうしていれば。あとちょっと、貴方が近くにいたらいいのに。 ため息をついてみても、何も変わらないくせ…

悪い顔

高校生の時、どうしようもないくらい好きな男の子がいた。 かっこよくて、野球部で、背が高くて、あんまり人と話さない故に女子からは怖い人と思われていて、でも笑顔がとても可愛い人だった。笑う度に八重歯が見えた。ガチャガチャの歯並びですら愛しかった…

鏡を見る

「嫌いな人の嫌なところは、自分に似てるから目につくのよ」と母はよく私に言った。 でも私は必ずしもそうは思わなかった。例えば、すごく嫌いな人がいるとする。 自分はその人と全く性質が正反対で、しかもすごく意地悪なことをされているとする。 そのとき、…

目安にしないで

測られたくないから、測定されているとわかった途端に分度器を壊した。一瞬で割れたそれを見て貴方は何を思ったの。やっぱり聞きたくない、口を閉ざしたままでいて。大きく息を吸って吐き出した。もう空気は白くなったりしなかった。本当に、冬が終わってし…

春の呪い

自分の中で夏より嫌な季節は、春だ。 春には重くて苦い思い出がたくさんあるのにさ、春は麻薬みたいで、掴みどころがなくて、私の前からいつの間にか消えていってしまうのだ。 嫌な気持ちだけを残して。何もしたくない。こんな狭くて汚い部屋から私を早く連…

木星に行きたいの

宇宙に私が1人漂っていた。 目の前にある星屑たちを掴もうとしたけど、届くわけは無かった。 寂しい、と口に出して言ってみたけどその言葉はキラキラ光って私の元から離れて行った。ごめんなさい、私がもっと大きかったらよかったのにね。160cmとちょっとの…

贈り物をください

人からいただくものは、何が好きですか。 私は、今は文章が一番欲しいです。 私のための言葉を、時間をかけて紡いで欲しいと思うのです。お金と時間でしか愛は測れなかった。私のために、人生の時間を沢山使って欲しいと思うから。 離れたくない。でも、遠く…

不幸の湯

不幸のお湯があるなら、それはきっとぬるま湯であろう。 冷たくて、少し暖かくて、上がろうとしても上がれないのだ。サウナと冷水のように、ストレスと幸福を行き来すればきっと整うのになと思う。熱い環境に身を置く覚悟も、態を食らう体力もなくなった。ぬ…

捲る

早くに亡くなった芸術家は、才能が致死量に達したのだなと思う時がある。 Eveのラストダンスという曲を、私は芸術家の曲だと解釈した。 あなたは言った消耗品さ、という歌詞は自分のつくりあげた作品が金儲けの道具として都合よく使われていることに対して皮…

都合のいい朝

本日は、なんとなく行った銭湯で体以上に心が温まる思いをした。いい休日であった。地元の人しか来ないような温泉に行った。 お湯はポカポカで、私は目を閉じて体育座りの姿勢になり、ドクンドクンと体が感じる瞬間を待っていた。もうすぐです、とおもって。…

私を読まなくちゃ

頭が割れるように痛かった。何も出来ないならできないなりに、さっさと全部終わらせればよかったのにね。たまにどうしようもなく無理したくなる。私のことを見抜いてくれる他人が好きだ。私の肉体や空気、建前を全部無かったことにして、直接魂に到着してく…

私たちみたいな星だね

ダメだと言われたことに限って、何でやってしまいたくなるのだろう。幼い頃からこういう人間だった。人を傷つけてはいけませんも、学校に遅刻してはいけませんも、何もかも、私をそうさせるための特別な言葉。自分の部屋のデスクトップパソコンで、外国の映…

決別

何度捨てても戻ってくるお人形があった。 私はそのお人形に対して、仕方ないなあと思った。だから、お部屋の片隅に置いておくことにした。そんな人形を、今度こそと、今日ゴミ回収の場所に置いた。私のこの気持ちは、なんだったのか。 きっと、ひとつのもの…