2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

決別

何度捨てても戻ってくるお人形があった。 私はそのお人形に対して、仕方ないなあと思った。だから、お部屋の片隅に置いておくことにした。そんな人形を、今度こそと、今日ゴミ回収の場所に置いた。私のこの気持ちは、なんだったのか。 きっと、ひとつのもの…

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小学2年生の時、近くに自由に使っていい空き教室があった。私は休み時間にそこに行っては、お教室の床の木目を数えながら歩いた。いつも顔みたいに見える木目があって、わたしはそこの顔を見ては、今日もいるなあ(当たり前だが)などと思っていた。お教室には…

クラス会議で私の名前を誰も呼ばない

夏の暑い日、ポカリスエットを零した。 アスファルトに大きな染みを作った。濡れて黒く変色したアスファルトを見て、不思議と冷静な気持ちになった。セミの鳴き声がうるさくて、嫌な日だったと思う。生理なのにプールに入らないといけないなんて、馬鹿らしい…

判断厨

追いかけて欲しい。でも追いつかないで欲しい。 卒業制作のために作ったノートで手を切った。 私のことを理解して、そのまま回れ右をしてほしい。靴は置いてお帰りなさい。私が何も言えない時、多分あちらも何も言わず、ただ蛍光灯の灯りをぼーっと眺めてら…

私と体温が違う人

冬がもう来ているんだなと思った。最近は湯船に浸からずにシャワーですませてしまうため、寒い。少し開けた浴室の窓から入ってくる風の温度は、冬のそれであったのだ。冬の朝が好き。冬の朝は、大切な思い出があるから。 幼稚園だか、小学生だか忘れたが。夢…

君の首を絞める夢を見た

タイトルを忘れてしまった歌は、サビの1文以降の歌詞がわからない。 もう無くなってしまった店の、好きだったメニューの名前は思い出せなかった。 片方無くしてしまった靴下。母が買ってきてくれたのに、いつの間にかどこかに行ってしまった。 せっかく一緒…

1度くらい愛されてみたかった

目が濡れていた。それは、人のせいでも自分のせいでもなかった。 例えば、毎日のように色んな人に出会う、別れる。そしてそこに私はいない。寂しさでもあり、優しさでもある。煙草の火はいつの間にか消えていた。誰かのために贈られた曲を、私達もきっと誰か…

夏が終わらないなら

昨日は久しぶりに太陽が出ている時間に行動した。お日様はまだ上の方にいて、わたしたちのことを痛いくらいに照らしていた。アルバイトを辞めた。 私はそこにいた人のことを考える。人を傷つけて学ぶこともあれば、人に傷つけられて学ぶこともある。その人が…

夢の話

毎日夢を見る。 起きたあとは、何だったかなと思うが、起きて時間が経てば経つほど夢の内容を思い出す。夢が現実で、現実が夢だったらいいのになと思う。夢の中で私は、和歌子なのかどうなのかすら定かではない。でも、それさえどうでもいい。 夢の中で苦し…

ティアラをのせる

ティアラを収集し始めたのはいつからだっただろうか。大学に入ってからだった。 ティアラがずっと欲しかったのを、たしか当時付き合っていた人に貰ってから集め始めた気がする。昔から、お姫様になりたかった。 ディズニープリンセスの中だったら、眠れる森…