君の首を絞める夢を見た

タイトルを忘れてしまった歌は、サビの1文以降の歌詞がわからない。
もう無くなってしまった店の、好きだったメニューの名前は思い出せなかった。
片方無くしてしまった靴下。母が買ってきてくれたのに、いつの間にかどこかに行ってしまった。
せっかく一緒にいられたのに、もう季節は戻らない。冬なのに汗をかくのが嫌いだった。
眩しくても焼き付けていたいと思えたくらい好きだった人。
ボタンをかけ違えてしまったみたいに、1つずつ間違えて、戻せなくなってしまった。

たまに、古い歌を思い出して聴く時間がある。
中学生の時の私にとっては意味が無い歌詞も、ちゃんと意味があるものだった。

全てを皮肉として捉えてしまうのは、私が皮肉めいた考え方の人間だった時代があるから。
人の嘘がすぐわかるのは、私も同じくらい嘘をついていたから。


小さいバッグで出かけさせてくれない人。苦い思い出の苦さをちゃんと分類できる。昔は暴力でしか無かった苦さ、今では奥行を楽しんでいる。これは皮肉だ。