夏が終わらないなら


昨日は久しぶりに太陽が出ている時間に行動した。お日様はまだ上の方にいて、わたしたちのことを痛いくらいに照らしていた。

アルバイトを辞めた。
私はそこにいた人のことを考える。人を傷つけて学ぶこともあれば、人に傷つけられて学ぶこともある。その人が教えてくれたように。皮肉にも、その人自身が学べないことだ。
制服を返しに行かないといけない。そのためには、クリーニング屋さんに持っていかないといけない。
多分もう制服も返しに来ないと思われているだろうが、そんな非常識なことはしたくない為、ちゃんとクリーニングに出して返す。今さら非常識も糞もないが。

本当に暑い。
冬がもし来ないなら、ずっとこのままだったら、と考えると怖くなる。
冬は、「死」的だ。ひとつのサイクルが終わる季節。
夢占いで死ぬ夢は吉夢なのだ。生まれ変わって、新しくなる。
冬が死だとするなら、生きてる限り私たちは何回だって生まれ変われる。新しく生まれ変わるための準備期間。私は冬が好き。


冬のとある日、桜の花を一生であと何回見れるのだろう、と先生は悲しそうに言った。
私は、次の桜の花から毎年目に焼きつけるようにしっかり見て、愛でていくといいのになと思った。
そうすれば、どれだけ寒い季節になったとしても、目を閉じれば立派な桜の木が、満開で頭の中に広がるから。
小枝を歩く蟻の一匹ですら、思い出せたらいいのに。毎日だって、お花見をしよう。


友人らは、冬の日の太陽みたいだ。
寒くなって動けなくなった私の心をぽかぽか暖めてくれるような存在。
解凍して、いずれ春が来る。辛抱強くその時を待つ。
私にもあなたにも、きっと春は等しく来るから、また生まれ変わったら会いましょう。左様なら。