会社をサボってディズニーに行こう

暑い。もう9月も終わりそうというのに、本当に暑い。
今日は電車でクーラーの当たらない席に座ってしまったので、電車の中でも少し汗をかいた。
目の前に立つ男性がサンデーを抱えて持っていた。日曜日まではあと5日あった。
今からディズニーランドに行きたい。わたしだけ、夢の国。

ディズニーに誰と一緒に行きたいか考えた。私のことをちゃんと好きでいてね、マスクは出来るだけ外してはダメ。煙草はあんまり吸わないでね、とかそういうお節介をもう言えなくなってしまうんだ。また日付が変わって、次の日になって、また日付が変わって、それを繰り返して間もなく私は虚無感を手に入れるのだ。大好きな人と引き換えに。夢の国には行けない。私はガラスの靴で走れるほど、器用さも大胆さも兼ね備えていなかった。

寂しくて我慢しないといけなくても頑張って生きようね、と言われた時、本当に何も分かっていなかった。私は、なぜ自分にとっての最悪の状況を全くもって考えなかったのだろう。いつも人生でリスクヘッジをしてたのに、今回はそんな事考えもしなかった。己の幸せに驕っていたのだ。

一生このままでいたい。痩せてお腹が余っているズボンも、沢山作ってきたバナーも、もうここで終わらせてもいいかな。毎日日課にしているデザインの勉強も、もとはといえば、人のおかげで始めたことだった。私にとって大切な人、私の夢をきっと笑わない人。多分私と違ってこのままでいたいなんて思わないのかな。思ってもどうしようもないから、ちゃんと受け入れられるのかな。私はまだ何も受け入れられなかった。入ってきたら、10秒くらいは動かないで欲しい。その10秒を、今。