朝の光の中、見えた

美しいものが好き。
光の中で手を伸ばして、掴み取った最後の1個があなただったらよかったのに。

美しいのか、美しくないのかはっきりしてよと思う日もある。しかし、光に包まれてより白く発光するのを見て、溜息をつく。貴方が美しくないなら、何なのだろう。

誰かに出会ってから、世界に色がついて見えるようになったという表現は、あながち間違いじゃない。そんな「誰か」の積み重ねで、私の世界の色はどんどん彩度を増して、最後にはよくわからなくなってしまった。

夏には綺麗に焼けて、冬には真っ白になる、お洒落な生き物。最後に見たのはいつだったかな。もう二度と会えなかったら嫌だな。

私を抱きしめていても、そこに居ないみたいだったと、その生き物は言った。