こわす

人を憎めないのは、嫌えないのは、優しさではなく多くの場合は弱さだ。今週も私は強く生きた。一人で立つにはまだまだ足が未熟だったが。

美少女みたいな配色の男だ、と私は人を揶揄していたが、実際この歳になってまだ少年のような瑞々しい美しさを保てる人類なんて、本当にレアだと思う。私の好きな男性たちは、19がピークだったような。花盛りは、すぐ終わる。

中学生の時、「どういう人がタイプ?」と言われて咄嗟に出た回答が「桃の天然水」だった。全然意味のわからないことを言ってしまったなと思ったが、今思えばうまく言えていると思う。これ以上ない回答だと思えた。みずみずしくて、透けそうで、少し熟れてるのが好きなのだ。でも、桃の天然水みたいな男の子は、別に私のことを好きにならないのも人生でよく理解出来た。
どんな勝負も挑みに行くように見られがちだけど、私はかなりリアリストなので勝てる勝負しかやりたくない。どれだけ突飛で無茶な事だと思われようと、だいたい勝てる時は勝てるってわかるから。負ける時は、もうやる前から負けるイメージが想像出来る。勝てる時はそれが一切思い浮かばないのだ。
私は、桃の天然水みたいな男の子と上手く添い遂げられる想像がいつも出来ないでいる、年下と恋愛したい、というのもそう。
私は多分美少年と付き合えないし、年下とも付き合えないんだと思う。無いものを強請る、人間らしくて嫌になる。

人に興味もない。自分が一番面白くて可愛くて目が離せないから。でもたまに人に興味が行くこともある。そして決まって、自分より他人に興味が行くと好きすぎて相手を壊してしまう。
全部知りたくなるし、生活がその人だけになってしまうから。これは男女関係なくて、歳も関係ない。人壊すだけ壊して、しばらくしたら飽きちゃって、また自分に戻ってくる。
壊すというのも、その人自身が私のせいでよくわからなくなってしまうこともあるし、私のせいでその人の周りの人間関係が壊れてしまうこともある。人に興味を持つのが怖いと思う、明日の予定から体の造形まで全部知りたくなるから。
私は多分無意識的に私に多くを聞かれてもちゃんと答えるだけのキャパシティのある人に興味を持つように選んでいるし、やはりそういう人たちなので、私になにか大事なものを壊されても(むしろ壊された方が)仲良く付き合ってくれる、それが余計にわたしをわるくするのもわかっていて。

今この瞬間も、最近猛烈に興味がある人のことを考えているけど、それと同時にこの興味が引く瞬間のことも考えている。虚しい。
一生夢中でいたいけど多分無理だから、できるだけ長いこと興味を持って生きたいと思う。
まだ私の興味の対象になっていない人類は、この幸福を毎日噛み締めて欲しい。
刹那的な生き方だなと思うけど、私は本当に忙しい、気分も考えることも毎秒変わるので
本当に時間が無いと思う 人生に。