本当に熱いか

熱い夜だった。
携帯が鳴って、しばらくして通知を見た。
私は、世の中を直視することが出来なかった。

何故人はそんなにも無防備なのだろう。
何故そんなに多くに傷ついて、まともに食らって、涙を流したりするのだろうか。
自分にとってどうでもいい人に酷いことを言われても全く喰らわない私からすると、意味がわからなかった。

周りと比較して、初めて自分が見える。
人との対話は、人を探っているようで己を探っている行為。
誰かのどこに共感したのか、どこがわからないのか。人はみな比較することでしか基本的には自己を見いだせないのだった。

でもそんなのは、甘ちゃんだ。
お前の都合なんか知らんがな、と、思った。
私は、お前を探るための道具になってあげたくない。私を通して自己を探る特権は、私の好ましい人達のみが手にしている。

まだ熱い。
貴方も今頃こうやって熱がったりしているの。
寒い季節が好き、汗をかかないから、と言っていたね、そのくせサウナが好きなんて。

私は、ずっと特定の人を鏡にして、それでもう10年は生きている。それ以外の人間は、鏡として常に上手く機能するわけではなかった。周りが悪いのではない。確実に私が悪い。

無防備な少年少女達、
早く全てを諦めて、無関心になりなさい、私からはそういう他ありませんから。

何ひとつとして、期待出来ないから。