激情

左手の薬指に光る銀色を見て、針を刺されたような、胸がキュッと締まる感覚になった。
あと何回こんな思いをしたらいい。そういう季節を繰り返して、私たちはいつか棺に入っていく。

自分と人の違いで喜んだし、自分と人の違いでいつも苦しんでいる。周りの人と同じ生命体と思えない。バターと蜂蜜がホットケーキの上で溶けて境界線がわからなくなるような、あれになりたいのに一生なれる気がしない。尊重、という単語の重みを感じる。
大好きな相手が死にたいと言った時に、結局私は殺してあげられないんだろうなって残念な気持ちになった。この中途半端な自我と愛着をどうにかして生きていたい。前回答えをくれた人が今回も答えをくれるかなんてわからない。ここからタクシーに乗れば15分も掛からず着いてしまうんだろうな。私は何も言わないから、私にとって答えと思えるような話をまたしてほしい。

推し という単調な言葉。つまんないけど、最近推しって私のこと無視してほしいひとってわかった。貴方の人生に影響を与えたくないなって気づいた。わたしが、貴方の何かしらの結び目を解きませんように。また、貴方の何かしらの結び目をつけてしまいませんように。

逆に、それ以外の大事の人の人生は、私としっかり交わっていて欲しいなと思う。私の影響で何かを始めて欲しいし、私の影響で何かを終わらせて欲しい。でもそんなエゴも、採択するもしないも本人次第だから。私も誰に影響を与えたいか、与えたくないかはきっとたくさん選別している。推しなんてつまんない言葉、ほとんど使わないでしょう。

明日が来ても明後日が来ても、きっと私たち絶対に会えないね。ポケモンGOで卵がもう5個もかえったよ。新しい香水を買ったよ。前髪を少し切りすぎたよ、私の近況報告も、なにもいみない。なにも全部意味ないのにね。
近況報告なんて、もうずっと誰にしたらいいか分からないんでしょう。ハガキを出すような友人も、何もかも。眼鏡を早く買い替えたいよ。
余計なことを沢山する、お釣りがくるようなやつなんて要らない。知らない女性を抱きしめてあげた新橋の夜、1年前。あの日の方がきっと私人に優しかったはずだよね。関西弁がずっと嫌です。