花束が欲しい

天気が明日だけ悪いみたいだった。頭が痛くて、お腹も痛い。もし今死ぬなら、綺麗にお化粧をして、お気に入りの服を着て死にたいよ。自分の体の中で何が起こってるのかわからない。発熱。今まさに、わたしは悪い蛹。中が熔けて、新しい細胞が生命をかき消した。自分の悪足掻きにさようなら。

全然いいねと思ってないのにいいねボタンを押す人生。明日には助けに来てくれるって言ってたじゃん。うそつき。私の人生に二度と登場しない人の影をずっと追う。夏の暑い日、日に焼けた黒い腕、汗が滲んでキラッと光った。どうして私は貴方になれないんだろうね、夏が嫌いになった理由は、あの時の駐輪場でのお話だった。どうせ覚えてるのは自分だけなんだろうなって会話をよく生きる糧にしている。今話してることだって、どうせ数年も経てばまた私だけのものになっちゃうよ。都合よく誰かに切り取られた夏、不都合すら私が愛せた冬、血を舐める人の顔、怖くて開けない通知。全部私の人生だったのに、信じられないよ。

人の話を全部本気で聞けなくなっちゃったんだ。何度殺されても、リスクヘッジをしたくなかった。私が丸腰でかかれば、あちらも武器を捨ててくれると思っていた。撃たれる度に自分のことを馬鹿だと思うけど、でも撃つ側の人間じゃなくて良かった、とも思った。検温の機械を額に当てられる度、あ、しぬ、と思う。そういう怖い思いも大きく包んで欲しかった。どうせ死ぬなら大きい花束を自分に贈ってあげたい。自分にどこまでもあたえてあげられるのってきっと自分だけだよ。今日も星が見えないし、明日ももう来ません。