アップテンポな祭り

自分で考えたことに対して、自分で考えたのにも関わらず怖くなることがある。
そして、人間誰しもこういう加虐性を内包してるのだろうなという恐怖と、もし本当になってしまったらどうしよう、本当に出来てしまったらどうしようと思ってそれにも怖くなる。私はとくに、思ったことがよく現実になるから。

今日、嫌いな人に何をしてやりたいかについて考えた。
恐ろしすぎてとてもこんなところに書けない、こんなことを考えてしまう自分が嫌だ、みんな誰しもこんな悪いことを詳細に考えてしまうものだろうか?
内容については恐ろしすぎて書けない。
自分の考えに対してこんなに怯えてしまうのは、それがよりリアルなものだからだと思う。

可能性について沢山考えてしまう。自分に起こる不幸も、無限に考えてしまう。

同じくらい幸福についても考える。
私の想像したことはいつも大体叶う。最近は、何も想像ができない。

洗濯物が乾かない

帰り道、近くの小さな神社に手を合わせた。
今日は明るい時間に帰ってきて、朝は5時、スポーツウェアを身にまとって運動靴で歩く人か、犬の散歩をするパジャマのシニアとすれ違う、そんな帰り道だった。

全てが思い通りにいかない。

毎日私の心は少しずつキュッとされて、きつく縛られていくみたいだった。なぜこんな目に、と思うでしょうが、そんなふうに泣いたってどうにもならないのは22年生きてわかったはずだった。

何にも腹が立てれない。
無気力だけが私に溜まっていった。悲しくて泣いてもいいけど、そうしたら何かが壊れてしまって、私はもう戻れない気がする。
仕方がないから、ここからは出し惜しみしていた魔法を使って生きていくしかないんだと悟った。私の家系は全員魔女の血が流れている。

誰にも理解されずに死んでいきたいなんて寂しいことを言う。私は今日夢の中で、腕が細く色の白い男のうえにピタッとくっつき静かに呼吸をしていた。口から唾液が沢山出て、相手の顔に伝った。男はすごく嫌そうな顔をした。
自分と男を上から見る形の夢だった。そういう日もある。

男のひじは、少しだけ赤い。
美少女みたいな配色をしているなあと初めて会った時から思っていた。全体的に色素が薄い。肌の色が白い。唇が薄い。血管が青く透けそうだった。


起きてみると、もう夕方が近くなっていて
私は慌てて支度をした。最近は湯船にしっかり浸かっている。優しくないこの街で、優しさに包まれているみたい。入浴剤は、大学の親しい職員にもらったものだった。

ここで溺れて死ぬ。
右側から、ピーッと洗濯が終わった音がした。

帰るには早いけど、待つには遅いの

見苦しく泣いてご覧。泣いてなにか上手くいったことなんて無いはずだから、私以外の人類は。

概念を変えて生きていけば、何にも囚われないで私なりの幸せが見つけられると思っていた。

叶えたかった夢に思いを馳せた。飛行機でスペインに行く、好きな人を連れて。私が彼を盗んでしまいたかった。最後の夜が終わる前に、サクラダファミリアを建て終えて頂戴。スペインの街で、一緒に踊らせて欲しかったから。


遠くに行かないで、と人生でもう何回言われたのか分からない。私がなぜ人にそれを言わせてしまうのか、それは私がずっと遠くの星が生まれだから。
知らない人になったり、会えなくなったりしてしまうのでは無いかと思わせてしまうのは、私がもともと「此れ」では無いから。
いつか必ず星に還るから。

何者にもなれないなら、何者にもならない方がいい。無名の都合の良さを、誰しもどこかで頼りにしているのはわかっている。

最近、久しぶりに「遠くに行かないで」と言われてハッとした。私はまた、どこか違うところに行こうとしていた?
どこにも行けないと言うのに。この街では、走り回るための自転車を所持するのにですらお金がかかるから。

小さい仕事が私を小さくするなら、それはそれでアリだと思う。ずっっっと小さくなって、バクテリアとかになって、よく分からずに漂っていたら、いつか昔居た星に還れるかな。

まだちゃんと見た事ない星の家族よ、眩い光で私を出迎えてくれ、必ず、かえるからね。
私の地球の家族にもよろしくね。

許してください

私たちきっと一緒にいられないね、と思って切なくなった午後があった。気持ちが芽生えた途端に想像した別れは、思ったより早めに来た。

あとちょっと、こうしていれば。あとちょっと、貴方が近くにいたらいいのに。
ため息をついてみても、何も変わらないくせに。


あるとき、人類は私の傍で死んでいった。遺言を書く暇も与えられなかった。私の中の熱すぎると同時に冷たすぎる「アレ」が、みんなの息の根を止めていった。

冷やかしで私に近づかないで、人をダメにしてしまうから。
私に消費されて抜け殻になった誰かも、また今年の夏を待つのか。
君は私のことをもう憎めなくなったんだ。
アイスがとけて腕をつたった。それを拭うのさえ億劫なくらい、私は動けなくなったから。

ポケットに手を入れると、くしゃっと音がした。
私の汗でシワシワになったそれを広げてみると、また、いつかの何にもならない模様があった。
私はそれを見て立ち尽くすしかできない。気づけばあたりは暗くなっていて、その紙切れには火がついていた。
しばらくパチパチと燃えていたけど、やがて消え、また夜が私を一人にした。

行かないでって言ったのに

悪い顔

高校生の時、どうしようもないくらい好きな男の子がいた。
かっこよくて、野球部で、背が高くて、あんまり人と話さない故に女子からは怖い人と思われていて、でも笑顔がとても可愛い人だった。笑う度に八重歯が見えた。ガチャガチャの歯並びですら愛しかった。

在学中、彼と交換日記をしていた時期がちょっとだけあった。
私が「高校があんまり楽しくないです。」と綴った時、「僕もです。中学生の時に高校は楽しいぞと周囲の大人に言われていたのに、全然楽しくなくて。大学もどうせそうなんだろうなって思っています」と返事が来た。私はそれを聞いてひどく安心した。

大学に入ってからも時たま連絡をとった。
2年生の前期くらいのことだ。電話で「大学楽しい?」と聞いたら、「楽しい」と言われてしまい、安直に絶望してしまった。そういうので生きてる。


切られるのが怖くてかけられない電話がある。
見るとしんどくて見られない映画がある。
立ち止まって動けなくなるから行けない場所がある。


暮らしはどんどん辛くなってきて、私は彼のことを思い出すことも減った。

たまには思い出さないと、私は私じゃなくなってしまう気がするから。



貴方と暮らす人生についてたまに考える。
贅沢なお遊びだと思う。私には、私のことをいちばんに思ってくれる素敵な彼氏がいるのに。


もしきょうたくんと結婚するなら、
籍を入れる前の3ヶ月はみさきくんと暮らしたい。やっぱりうまくいかないんだ、みさきくんとは暮らせないね、残念、という気持ちになってからきょうたくんと暮らし始めたい。
きっと結婚してからも諦めがつかないかもしれないから。

地球最後の日、地球に落ちてくる隕石を見ながら電話するのがみさきくんだったらいいのに。

鏡を見る

「嫌いな人の嫌なところは、自分に似てるから目につくのよ」と母はよく私に言った。
でも私は必ずしもそうは思わなかった。

例えば、すごく嫌いな人がいるとする。
自分はその人と全く性質が正反対で、しかもすごく意地悪なことをされているとする。
そのとき、「自分に似てる部分がある」なんて思うのは、相手との共通点を探して、自分の中で折り合いをつけるなり、相手を許すなりしようとしているだけなのではないか、と私は思うのだ。

母は私に「人の振り見て我が振り直せ」を教えたかったのか、それとも私に問うてるようで、自分に言い聞かせていたのではないか。

1度だけ母にそのことを言ったことがあるが、半分わかったようで半分わかっていないようだった。別にそれでいい。

母がもしその理論で本当に潜在的に相手のことを許すために「自分と似ている」と言うのなら、それはそれで母の優しさだと思う。
また、「人の振り見て我が振り直せ」論で言っているとしても謙虚で素晴らしいと思う。
母は心が綺麗で博愛な人だ。

だが、私はその理論の両方とも、自分を痛めつけてしまう場合がある危険な理論であると思う。

似てなくても嫌なやつは嫌なのだ。
相手を無理に理解しようとしなくてもいいし、無理に謙虚でいなくてもいいのだ。

それに、嫌な人をなぜ嫌と思うかをしっかり分析するという点においてもその理論は良くない。

「多分似てる点があるから嫌いなんだろうな、はいおしまいおしまい」で、そこから先は何も生まれないような気がするから。

私は、相手を嫌と思う気持ちはしっかり分析したいから。
その分析の上での結論が「相手と自分の嫌なところが似ていて目に付いた」→「自戒的に頑張ろう」なら素晴らしい。自分の嫌な点がちゃんと見えてくるって、本当に偉いから。
でも、必ずしもその理由じゃない時もある。

・分析をさぼらない
(物事をしっかり見る)

・自己否定的にならない

という2点において、母親の理論は時に危険だと思う。(毒になる)





かと言って、相手が悪い!悪い!悪い!!という考えに固執している人に対して、こういう可能性もあるよと提示する場合は薬にもなると思う。

物事はバランスが大事で、そればっかりじゃ上手くいかないんじゃないかと思う

突然すみません

目安にしないで

測られたくないから、測定されているとわかった途端に分度器を壊した。一瞬で割れたそれを見て貴方は何を思ったの。やっぱり聞きたくない、口を閉ざしたままでいて。

大きく息を吸って吐き出した。もう空気は白くなったりしなかった。本当に、冬が終わってしまったんだね。鼻の奥がツンとした。花粉のせいで痒くなって、鼻腔が湿った。
誰もが持てないものを簡単に手に入れてしまった時、謙遜するのか、自慢するのか。こうやって考えるのが無駄なくらい、私は予想が出来ないでいた。燃えるゴミを捨ててみた。

自慢なんてしないような人の自慢話。傲慢な人間が時たま見せる謙遜。同じくらい魅力的だった。それと同時に、ずるいとおもう。分かりやすくて、ずるい。私の多面性が私を苦しめた。どうやら私って、周りの人からするとわかりやすい人間では無いみたいだから。二面性くらいだったら、まだ面倒くさがらずに私の事口説いてくれていたの。それを上手く演じられる才能があったら、はたちになる前に笑えていたのかな。

燃えるゴミの割に、燃えないゴミ。もう暫く来ない町。朝焼けが私の人生を急かす。タバコを吸っている場合ではない。また誰かが私を測ろうとするから。
私を測らないで。そしたらきっと、私の凄さがもっとわかるよ。はやめにおいでね、私は急かしたりしないけども。