9月に戻れたら

愛する人へ、いつになったら私を殺しに来てくれる。去るもの追わずなんて馬鹿の言うことだ。出禁くらいにしないとわたしの熱量の割に合わないのに。なんてね。

毎日違う人。少女っぽい娼婦。悪魔っぽい天使でいよう。黒も、赤も、白も、紫でも似合う女でいよう。女かどうかも怪しく居よう。ロリータを着てもいいし、ジャージを着てもいい、全部着こなしてお洒落でいよう。中学のジャージにブルーノマリのパンプスを履きます。泥酔して嘔吐したって、そのまま裸足でスワニルダを踊ってもいいでしょう。悲しく抱かれたあと、電車の中でショパンを聴く。文化的な暮らしが大好きです、同じくらい非・文化的なものも好きです。穴の空いた靴下を履くくらいなら裸足で居たらいい。ご飯が食べられないくらいお金がなければ、我慢したっていい。

いつも通り、私だけご機嫌で居られたらいい。人の調子を気にするから気が散るのだ。ふうん、そんなこともあるのねと、落ち着いて話したらいいよ。寒い風が吹いても騒がない。譲れない何かのために悪役になる覚悟がないのであれば、すきじゃない。ノートに書いてあった字が思いのほか丸かった。でもそんなのですらどうでもいい。
可愛く生きてもいいし、可愛くない生き方をしてもいい。私たちは思いのほか、人のじかんをたべていきている。三島由紀夫を鞄に入れる。触れなかった睫毛。どうしようもなくなった時に聴く曲も、要らない。
お日様に挨拶する。全部を包んで肯定してくれるのが朝の光。夜に消えたくなるなら、せめて私を読んで。